2014年06月05日

日本版スーパー・リージョナルバンク

「地銀:再編圧力強まる 全国105行過剰状態」(毎日新聞2014.5.26)

(記事一部引用)
 全国で105行(地銀、第二地銀)がひしめく地域金融機関を巡り、業界再編を促す圧力が強まっている。競争激化で収益が伸び悩んでいることに加え、人口減少や地域経済の縮小に伴い、今後は採算が悪化する恐れがあるためだ。一部地銀で統合などの動きも出ているものの、金融庁内では「動きが鈍い」との不満が根強い。地域金融機関の将来像は見通せないままだ。
 「地域金融機関は利ざやが減り、(金融機関が過剰に存在する)オーバーバンキング」。自民党の塩崎恭久政調会長代理は26日の記者会見で、地域金融の強化が必要との認識を強調した。同党がこの日、政府に示した成長戦略の提言には、広域で事業展開する「日本版スーパー・リージョナルバンク(仮称)」の創設が盛り込まれた。
 地銀、第二地銀の融資業務など本業のもうけを示す「コア業務純益」。金融庁によると、2007年3月期は合計で2兆円超だった。しかし、13年3月期には約4分の3(1兆5400億円)に減った。地元企業の資金需要の伸び悩みや、金融機関同士の金利競争の激化で、利ざやの縮小が続いていることが背景にある。
 金融庁が昨年9月公表した地域金融機関の監督指針には「5〜10年後を見据えた中長期の経営戦略を検討することが重要」と明記され、年明け以降は畑中龍太郎長官が地銀頭取らが集まる会合で「経営戦略に答えを出す年だ」と強調した。足元の景気回復で多くの金融機関で業績が回復しているが、「国内市場の縮小が見込まれる中、地銀再編は不可避」(幹部)として、各行に経営戦略の練り直しを迫っている。
(引用終わり)


公式のプレスリリースが見当たらないので正しいところは分かりませんが、対象地域を異にする複数の地銀が統合して、規模を大きくして複数の地域をカバーする地域銀行の創設を目指すもののように見えます。

現時点でも、持株会社方式で地域を異にする複数の地銀を事実上統合したり、複数の地銀が緩やかな業務提携をするなど、地域の枠を超えた地銀の統合・提携の事例は見られますが、スーパー・リージョナルバンクというのは、それを上回るような規模、エリアのものを言うように受け止められるところ、その行き着く先は結局メガバンクではないか、との指摘もありそうです。

銀行の統合は、これまでもメガバンク、地銀問わず相当数の前例がありますが、役職員の重複ポストの整理とリストラ、店舗の統廃合、システムの統合など難しい課題も少なくないと言えます。

また、銀行統合は、記事も言うとおり、金利競争の回避による利ザヤの改善を目指すものですから、利用者側から見ても、借り手企業にとっては借入金利の上昇、預金者にとっては預金金利の低下、を意味することになり、少なくとも直接的には好ましいこととは言えません。地方の利用者にとっては、店舗の廃止による利便性の低下ということもあります。

デフレ脱却や成長戦略のために異次元の金融緩和を行い、超低金利を維持して企業の設備投資を刺激することが企図されている中で、企業の資金調達金利が上がることになるような銀行統合は、こうした政策と整合しているといえるのか、少なくとも景気回復が確実になってからではないか、これ以上銀行を儲けさせてどうするのか、などといった意見も聞こえそうです。
posted by kinyu-bengoshi at 16:39| 日記
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