2014年04月01日

中小企業事業承継民間ファンド

「金融機関、中小企業の世代交代後押し 専門ファンドなど」(日本経済新聞2014.3.31)

(記事一部引用)
 中小企業の世代交代を後押しする体制づくりが金融機関の間に広がっている。りそな銀行が専門のファンドを設立したほか、信金中央金庫は新生銀などと連携するしくみを立ち上げる。中小企業の経営者は高齢化が進んでおり、円滑な代替わりが急務。金融機関にとっては与信管理と表裏一体でもあることから、支援体制を強化している。
(引用終わり)


記事で紹介されている信金中央金庫と新生銀行のファンドのスキームは、同行のプレスリリースによれば、全国の信用金庫の取引先中小企業をライフステージ毎に分け、創業・育成や成長のステージにある中小企業に対しては、信金中金が設立する新ファンドが資本性資金を直接供給し、経営改善や事業承継を必要とする中小企業に対しては、新生銀行やその投資子会社が、優先株や、経営者の親族や従業員による買戻しを想定した種類株を利用して資本性資金を供給するといったもののようです。

金融庁の監督指針において、とりわけ金融円滑化法の終了後、金融機関は顧客企業に対するコンサルティング機能を発揮すべきことが強調され、具体的には、顧客企業のライフステージを適切に見極めたうえで、当該ライフステージに応じて適時に最適なソリューションを提案すべきであるとされています。ライフステージは、@創業・新規事業開拓、A成長段階におけるさらなる飛躍、B経営改善、C事業再生や業種転換、D事業の持続可能性が見込まれない、E事業承継、といった6類型に整理されており、各類型ごとに最適なソリューションの例が挙げられています。例えば、E事業承継については、M&Aマッチング支援、相続対策支援、株式買取(MBO、EBO等)に関する資金支援とされています。

記事の信金中金と新生銀行の取り組みはこの金融庁の要請に沿ったものといえそうです。

りそな銀行の方は、プレスリリースがないので正確なところはわかりませんが、同行が中小企業の株式を一時的に買い取る専門ファンドを設立したようです。

いずれも、民間金融機関だけでファンドを組成するなどして中小企業への資金供給を図るものですが、今後、予算だけは潤沢だが案件が不足する官製ファンドが案件漁りのように参入して民間のこうした取り組みを阻害しないかが懸念されるところともいえそうです。
posted by kinyu-bengoshi at 17:04| 日記
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