2014年01月17日

【金融円滑化法】2013年企業倒産

「倒産22年ぶり低水準、1万件強 東京商工リサーチ」(日本経済新聞2014.1.15)

(記事引用)
 東京商工リサーチが14日発表した2013年の全国の企業倒産件数(負債額1千万円以上)は、前年比10.5%減の1万855件と5年連続で減少し、バブル期の1991年以来、22年ぶりの低水準となった。負債総額は27.4%減の2兆7823億円と2年ぶりに前年を下回り、23年ぶりに3兆円を割り込んだ。
 金融機関が中小・零細企業に対する貸し付け条件の緩和を継続しており、全国的に倒産が抑制された。円高修正などで企業業績も押し上げられ、東証1部、2部の上場企業の倒産件数は06年以来7年ぶりにゼロだった。
(引用終わり)


2013年3月末に中小企業金融円滑化法が終了し、企業倒産の増加が懸念されましたが、終わってみれば、2013年は大幅な倒産件数減となりました。

TSRのプレスリリースでは、この要因として、金融機関が中小企業のリスケ要請に応じていること、金融円滑化法の期限切れに伴い実施された中小企業金融モニタリング体制の効果などを挙げています。

金融円滑化法終了後の具体的な施策は、主に以下の通りです。

金融円滑化法終了時に監督指針の改正が行われ、金融機関は、中小企業者等の借り手に対して、貸付条件の変更等や円滑な資金供給に努めることや、他の金融機関等と連携し、申込みを行った中小企業者の貸付条件の変更等に努めること等が明記され、金融円滑化法が規定していた金融機関の努力義務が実質的に引き継がれて明示されました。

銀行法施行規則19条の2も改正され、金融機関のディスクロージャー誌の記載項目に「中小企業の経営の改善及び地域の活性化のための取組の状況」が追加され、監督指針においても具体的な記載事項が明示されました。

2013年3月に企業再生支援機構を改組・機能拡充して業務開始した地域経済活性化支援機構の根拠法である株式会社地域経済活性化支援機構法64条は、「機構及び金融機関等は、事業者の事業の再生又は地域経済の活性化に資する事業活動を支援するに当たっては、地域における総合的な経済力の向上を通じた地域経済の活性化及び地域における金融の円滑化に資するよう、相互の連携に努めなければならない。」と規定しており、金融機関は、同条の趣旨を踏まえて、地域経済の活性化及び地域における金融の円滑化について適切かつ積極的な取組みが求められることとされています。

このように、金融円滑化法の趣旨が円滑化法終了後も継続することが政策的な裏付けをもって明確化されており、金融機関の対応とそれによる倒産件数抑制にはこうした要因があったものといえます。

なお、金融庁によれば、金融円滑化法下でのリスケ等実行割合は9割超、同法最終期限までの実行件数・金額の累計は、407万件・112兆円に達しました。もっとも、中小企業を巡る事業環境は依然として厳しく、再リスケの割合は約8割に及び、円滑化法利用事業者約30〜40万先のうち、特に事業再生・転廃業が必要な事業者は約5〜6万先と推計されています。円滑化法利用事業者の倒産件数の増加傾向もうかがえます。

金融円滑化法終了の影響や事業再生などにつきましては、弊事務所HPの中小企業金融円滑化法事業再生Q&A 金融機関取引の基本 事業再生・倒産編なども適宜ご参照いただければと思います。
posted by kinyu-bengoshi at 21:53| 日記
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