2013年10月15日

民間資金等活用事業推進機構(PFI推進機構)

「インフラ整備へPFI機構発足 政府保証枠、最大3000億円」(日本経済新聞2013.10.11)

(記事引用)
 政府は11日、官民が出資した民間資金等活用事業推進機構(PFI推進機構)を立ち上げた。民間企業が公共施設と収益施設を併設してもうけを確保し、国や地方自治体の負担がゼロになる独立採算の事業に出融資する。公共施設の運営権を買い取る事業も対象。国や地方のインフラ整備の負担を抑えるが、野放図にお金を出せば、国民負担が発生する可能性もある。
 PFI推進機構は政府から100億円の出資を受けたほか、3メガバンクや第一生命保険など民間約60社からの出資額も年内に100億円に達する見通し。さらに機構が大型案件を手がけるときに銀行から資金を集めやすくするため、最大3000億円の政府保証枠を設けた。
 機構が出融資する事業はPFI(民間資金を活用した社会資本整備)のうち、国の負担をかけずに整備ができる方式に限る。一つは、例えば官庁のビルを建てるときに、商業施設やレストランを併設して収益を確保し、建設資金を回収する独立採算型だ。
 もう一つは、国や自治体が高速道路や空港を運営する権利を丸ごと民間に売り払うことで、建設資金を回収するコンセッション型だ。こうした方式はまだ民間の資金の出し手が少なく、足りない分を機構が出す。
 現在、PFIで一般的なのは、建設資金を一時的に企業に立て替えてもらう「延べ払い型」。最終的な公的負担が減らないため機構の投融資の対象にはしない。
 世界全体の民間インフラファンドの市場規模は20兆円規模といわれるが、国内では「ほぼゼロ」(内閣府)。機構は資金供給に加え、PFI事業に関心のある企業に専門家を派遣して民間ファンドを育てる方針だ。
 政府は厳しい財政状況を背景に、PFIの事業規模を今後10年で今の3倍の12兆円に増やす。PFI推進機構はその中核となる。
(引用終わり)


民間資金を活用したインフラ整備(いわゆるPFI)のための機構(ファンド)が公的資金で設立されたようです。
公的資金を活用した不動産開発法人(公社、3セク等)は過去に山ほど作られてことごとく失敗したことは記憶に新しいですが、こちらの機構は、あくまで独立採算型の案件のみを投資対象とし、公的負担は原則ないようです。

PFI自体は、平成11年制定の「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(いわゆるPFI法)で推進がうたわれたもので、そう真新しいものではないですが、これまでなかなか普及してこなかったので、今回国も拠出するファンドを設立する形で推進を図ったものといえます。

投資先不足に悩む民間資金は、採算が合う案件であれば基本的に投資に向かうので、これまでPFIの実績がなかなか伸びてこなかったのは、採算に問題があった可能性があります。個別の案件の採算性の検討なしに単に器を作って投資資金を集めても、今まで通り採算が合わなければ投資されないか、記事も指摘する通り、採算が合わなくても野放図に投資されて結局損をするか、ということになりかねないといえます。なお、機構の投資資金調達については政府保証(最大3000億円)が付されるので、その分についての投資損失は最終的に国民負担に帰することになります。

内閣府の公表資料によれば、今後10年間で10~12兆円規模の事業を推進するとのことですが、今回の政府出資100億円と政府保証枠3000億円がその呼び水となって最終的に公的負担なしで民間資金のみでできればよいですが、投資案件不足や野放図な投資がばらまかれるなどにより、単なる公的信用活用機構となって結果的に国民に負担が押し付けられるようなことは避けていただきたいというところです。
posted by kinyu-bengoshi at 12:55| 日記
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