2013年05月30日

【金融円滑化法】モニタリング副大臣会議

「中小の返済猶予、累計で400万件超 3月末時点」(日本経済新聞2013.5.30)

(記事引用)
 3月末に終了した中小企業金融円滑化法に基づき、金融機関が中小企業の借金返済を猶予した件数は累計400万件超となった。30日、中小企業の資金繰り動向を監視する副大臣会議で金融庁が明らかにした。円滑化法終了で金融機関や公的機関による追加支援が必要な企業は5万〜6万社とされる。
 同法はリーマン・ショック後の景気低迷を乗り切るため2009年末に始まった。個人向け住宅ローンの返済猶予も対象としており、累計件数は26万件だった。会議後に会見した世耕弘成内閣官房副長官は住宅ローン金利が上昇傾向にあることについて「少し注視をしていく必要がある」と述べた。
(引用終わり)


同会議の金融庁資料によれば、平成25年3月末時点の中小企業者向け貸付条件変更状況は、申込み437万件、実行407万件、取下げ11万件、審査中7万件、謝絶10万件となり、実行率は申込み比93.3%、実行+謝絶比97.4%となったようです。
なお、上記は件数ベースですが、社数でみると円滑化法利用企業は約30~40万社と言われており(ちなみに全国の中小企業数は約420万社)、本記事も述べるとおり、そのうち5~6万社が追加支援が必要と考えられています。

また、同資料によれば、2月25日業務開始の財務局・財務事務所の「中小企業等金融円滑化相談窓口」への相談件数は5月24日までの累計で895件で、週平均だと68件となるようです。もっとも、4月1日以降は相談件数は落ち着いているようで、直近5週間は各週36~48件となっているようです。
895件の内訳は、事業融資628件、住宅ローン83件などで、また、取引金融機関に関する質問・相談・苦情等が695件、取引金融機関以外に関する質問・相談・苦情等が200件となったようです。

他方、同会議の経済産業省資料によれば、同省が所管する業界団体84団体に対するヒアリングの結果、「最近、特に4月1日以降、金融機関の融資や条件変更の姿勢に変化が見られるか」との質問には、「変わらない」が83団体、「厳しい」が1団体、「最近、特に4月1日以降、資金繰りに問題はないか」との質問には、「変わらない」が82団体、「悪化」が2団体、「最近、特に4月1日以降、同業者の倒産の増加が見られるか」との質問には、「減少」が3団体、「変わらない」が76団体、「増加」が5団体、と回答するなど、5月に入ってからも金融機関の対応や事業者の状況について目立った変化は見られず、大きな混乱は見られないとしています。

平成24年度補正予算における中小企業・小規模事業者に対する資金繰り支援・経営改善支援策の利用状況については、セーフティネット貸付(平成25年3月1日から5月17日まで)が35,929件、7297億円、資本性劣後ローン(平成25年3月1日から5月17日まで)が156件、109億円、借換保証(平成24年12月1日から平成25年4月30日まで)が76,985件、1兆4709億円と、短期間で相応の件数、金額が発動されたという印象を受けるところでもあり、上記のようなヒアリング回答結果の背景として、これらの円滑化法終了後のテコ入れ策が一定程度奏功した要因もあるといえそうです。

金融円滑化法終了の影響や事業再生などにつきましては、弊事務所HPの中小企業金融円滑化法事業再生Q&A 金融機関取引の基本 事業再生・倒産編なども適宜ご参照いただければと思います。
posted by kinyu-bengoshi at 23:41| 日記
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