2013年04月24日

官民ファンド機構支援先企業の2次破綻

「出資先が初の法的整理 官民ファンドの地域支援機構」(日本経済新聞2013.4.23)

(記事引用)
 官民ファンドの地域経済活性化支援機構は22日、経営再建を支援していたアルミ製品加工業のコロナ工業(横浜市)が東京地裁に民事再生手続きを申し立て、受理されたと発表した。前身の企業再生支援機構も含め、支援を始めた後で企業が法的整理になるのは初めて。負債総額は約31億7000万円。
 コロナ工業は2011年に旧企業再生支援機構と伊藤忠プラスチックスの出資を受け、経営の立て直しを目指してきた。支援機構の出資額は約9億円(議決権49%)。当初予想以上に国内需要が減少し、海外売り上げも十分に増やせなかった。地域支援機構は当面はコロナ工業への支援を続け、新たなスポンサーを探す。
(引用終わり)


平成24年度補正予算に基づき3月設立された官民ファンドの地域経済活性化支援機構の前身の企業再生支援機構が平成23年5月に出資により支援した企業が、今般民事再生法適用申請をし、いわゆる2次破綻をしたようです。
企業再生支援機構の支援要件は、3年以内に生産性向上(自己資本当期純利益が2%ポイント以上向上等)と財務健全化(有利子負債/キャッシュフローが10倍以内等)の基準を満たし、3年以内に買い取り債権や株式の処分が可能となること等となっていることから、支援決定から少なくとも3年間は支援を継続するようにも思われたのですが、今回、支援決定からわずか2年弱でこれを断念した形となりますので、若干意外な印象も受けます。
機構出資時の再生スキームは、既存債権45億円のうち23億円をカット(手法は吸収分割による第二会社方式)、機構が約9億円(議決権51%)出資+運転資金1.5億円保証枠設定+経営陣派遣、事業スポンサーとして伊藤忠プラスチックスがDESも含めて約9億円出資、商工中金が3億円の運転資金融資枠設定、などというもので、相当に手厚い支援体制を組んだといえます。
それをもってしても、わずか2年弱で現行スキームでの支援を打ち切らざるを得なくなったということは、よほど売上が上がらずキャッシュフローが不足したということであり、民事再生法下でさらなる債権カットをしたとしても再生は容易ではなく、機構や同社のプレスリリースにもあるとおり、新スポンサーを得てビジネスを抜本的に再構築して売上高増加、キャッシュフロー改善を果たすことが再生の要件になるといえそうです。
機構は当面DIPファイナンスを供給して同社の仕入資金の支援等を行うようですが、一度出資金を毀損させた企業に対してさらに出資する等の本格的な支援をすることは難しいですので、前記の通り、再生の成否は新スポンサーにかかっているといってよいといえます。

地域経済活性化支援機構や企業再生支援機構については、当ニュース解説・コラムの【金融円滑化法】地域活性化支援機構(仮)【金融円滑化法】企業再生支援機構でも触れております。
また、事業再生一般につきましては、弊事務所HPの事業再生Q&A 金融機関取引の基本 事業再生・倒産編なども適宜ご参照いただければと思います。
posted by kinyu-bengoshi at 00:56| 日記
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