2013年04月02日

【金融円滑化法】地銀の引当増と資本増強

「関西アーバン銀:3期ぶり最終赤字、68億円」(毎日新聞2013.3.30)
「円滑化法終了見据え…関西アーバン銀行、赤字に転落」(産経新聞2013.3.30)
「関西アーバン銀、中核的自己資本を増強 劣後ローン置き換え」(日本経済新聞2013.3.29)

(毎日記事引用)
 関西アーバン銀行は29日、13年3月期連結決算の業績予想を下方修正し、最終(当期)損益を従来の55億円の黒字から68億円の赤字に引き下げた。最終赤字は3期ぶり。中小企業金融円滑化法が31日終了するのに伴い、企業倒産が増えるリスクに備えて与信関係費用を約70億円増やしたため。
 また、新たな銀行の自己資本規制(バーゼル3)に対応するため、親会社の三井住友銀行を引受先として、普通株への強制転換が可能な優先株式730億円の第三者割当増資を行うと発表した。バーゼル3で「中核的自己資本」に算入できなくなる劣後ローンなど計730億円は返済する。
 同行の自己資本比率は現在約8%で、バーゼル3の基準が完全に適用されれば約2%に下落する見通し。新たな優先株式への切り替えで、バーゼル3の基準でも約4%を確保する。
(引用終わり)


関西の有力地銀、関西アーバン銀行が、2013年3月期決算の下方修正と資本増強を発表しました。
決算下方修正の主要因は、記事にもあるとおり、中小企業金融円滑化法終了に伴う与信関係費用(いわゆる引当)増加のようです。同行のプレスリリースによれば、同費用が当初予想より70億円増加して235億円計上するようです(ちなみに前年2012年3月期の与信関係費用は210億円)。これにより、2013年3月期の連結最終損益が当初予想の55億円の黒字から68億円の赤字へと下方修正されました。
この処理に伴う損失に加えて、自己資本新規制(当ニュース解説・コラムの【金融円滑化法】地銀の自己資本新規制ご参照)に伴い自己資本比率の低下が見込まれることから、資本増強を行うもののようです。具体的には、三井住友銀行を引受先とする既発行種類株式(いわゆる配当優先・取得請求権付種類株式)(400億円)を自己株取得により償還、海外連結子会社発行の優先出資証券(150億円)の買戻し、三井住友銀行からの既存劣後ローン(180億円)の返済を行い、これの原資として三井住友銀行を引受先とする種類株式(普通株式を対価とする取得条項が付された強制転換条項付種類株式)(730億円)の第三者割当増資をするようです(種類株式による資本増強ついては、優先株による資本増強や弊事務所HPのQ&A 金融機関取引の基本 事業再生・倒産編Q13も適宜ご参照ください)。
これにより、中核的自己資本の充実が図られ、新自己資本規制完全適用前提で2013年3月末コア自己資本比率4%を確保するとしています。

他の地銀においても今後、円滑化法終了に伴う引当増(不良債権処理損失拡大)+自己資本新規制により資本増強を図る動きが出てくる可能性があります。

金融機関の引当による借り手企業への影響などについては、【金融円滑化法】地銀の不良債権処理や弊事務所HPの金融検査マニュアル・自己査定中小企業金融円滑化法なども適宜ご参照いただければと思います。
posted by kinyu-bengoshi at 23:45| 日記
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