2012年11月14日

【金融円滑化法】企業再生支援機構

「中小再生へ体制強化 再生支援機構 支援先の負担軽減」(日本経済新聞2012.11.14)

企業再生支援機構が、中小企業の経営再生支援の体制の強化として、申込企業の負担を減らしたり(具体的には、資産査定費用を従来の全体の4分の1から10分の1に引き下げる、一定の場合は再生までの期限を3年から5年に延長する)、営業体制を拡充して案件を自ら発掘するとのことです。来年3月の中小企業金融円滑化法の期限切れを見据え、大企業から中小企業への支援にシフトするとのことです。

企業再生支援機構(ETIC:Enterprise Turnaround Initiative Corporation of Japanとも呼ばれています)は、株式会社企業再生支援機構法を設置根拠として平成21年10月に国が主導して設立した機関で、過剰債務を負う中堅中小企業等の事業再生を支援すること等を業務としています。
資金規模は、出資金約200億円、政府保証付き借入金枠約1兆7000億円となっています。

再生支援業務は、おおまかにいえば、債権者間の調整や、企業に対する出資や債権買取を行いスポンサーや大口債権者として企業の再生を図るというものです。
発足直後に日本航空への出資をして有名になりました。ちなみに同社への出資金(3500億円)は、わずか2年半で先日の同社上場により3000億円の売却益を得て回収されています。

平成24年4月20日に金融庁・中小企業庁・内閣府から発表された「中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージ」(いわゆる出口戦略)において、金融円滑化法の期限切れ後の中小企業の事業再生の促進を図るため、企業再生支援機構の機能及び連携の強化が明記されています。そして具体的には「デューディリジェンス等にかかる手数料の負担軽減を図る。」とされています。

デューディリジェンスは資産査定ともいい、対象企業の資産内容等を公認会計士等の専門家が細かく調査してその企業の財務実態を把握する手続きです。特に債務カットを伴うような事業再生を行う場合には必須のものとされています。
中小企業の場合、このデューディリジェンス費用が高額なことがなかなか事業再生が図られない要因の一つとなっていました。
機構では、これまでも中小企業のデューディリジェンス費用負担を軽減していましたが(企業の負担は費用全体の4分の1か1億円の低い方)、今回はこれをさらに進めて、企業の負担を費用全体の10分の1にまで軽減するようです。

本ニュース解説・コラムの【金融円滑化法】銀行の出資規制緩和のところでも触れましたが、中小企業に対する資本性資金の需要は高いもののなかなか出し手がいないのが現状です。機構はこれから中小企業に支援対象をシフトするようですので、こうした需要に対しリスクマネーをどのように、どれくらいの規模で供給し、どのように回収するのか、期待して注目していきたいと思います。

ちなみに、機構の活動期限は法律上平成28年3月末までとされ、支援決定については平成25年3月末までとなっています。

弊事務所HPの中小企業金融円滑化法事業再生Q&A 金融機関取引の基本 事業再生・倒産編なども適宜ご参照いただければと思います。
posted by kinyu-bengoshi at 21:55| 日記
リンク集