2012年11月12日

不動産投資信託(REIT)

「ビルなど取得拡大 不動産投信、今年7500億円に」(日本経済新聞2012.11.11)

不動産投資信託(REIT)が東京都心を中心にオフィスビルなどに積極投資しているとのことです。2012年の購入不動産は累計7500億円と昨年実績を超え、4年ぶりの高水準のようです。記事は、不動産市況の底入れ感から海外マネーなどが流入しているのが背景であるとしています。

不動産投資信託、いわゆるREIT(リート)とは、簡単にいえば、個人投資家などから幅広く資金を集めて不動産に投資し、そこから得られる賃料などの収益を配当として投資家に分配するという仕組みないし法人をいいます。証券取引所への上場もでき、そこで投資口が株式のように売買されます。
配当率は年3〜5%などと比較的高いリターンが期待できる投資商品とされています。
しかし、高い投資リターンの裏には必ずそれに見合うリスクがあります。
REITは、高い投資リターンを確保するために、投資家からの出資金のほかに、金融機関からの借入金を組み合わせて資金を調達します。現下の低金利下においてこれらの借入金利は低くすみ、その分投資リターンを高めることができます(これをレバレッジ効果といいます)。
例えば、本件記事にあった「東急プラザ表参道原宿」を取得したREITは、全18物件の取得資金約1700億円のうち770億円を金融機関からの借り入れにより賄っているようです。
この取得資産総額に対する借入金の割合をLTV(Loan to value)といい、この割合が高ければそれだけ出資金の投資リターンが高まりますが、借り換え(リファイナンス)リスクも高まり、その分出資金が毀損するリスクも高くなります。
したがって、REITに投資する際は、取得物件や見かけの期待投資リターンのみで判断するのではなく、LTVや借入金の条件(借入期間や返済方法等)等も見極める必要があります。
ちなみに、2008年10月にニューシティ・レジデンス投資法人という上場REITが民事再生法の適用を受けて破たんしたことがありました。直前のリーマンショックの余波で物件売却がうまくいかず、借り換えにも失敗して資金繰りが行き詰ったためのようです。民事再生法その他の法的整理手続では出資金は真っ先にカットされて全額毀損します。
posted by kinyu-bengoshi at 00:21| 日記
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