2012年11月09日

東電新経営方針

「東電、新たな支援要請 経営方針発表 賠償・除染で負担増」(日本経済新聞2012.11.8)

東京電力が7日、福島原発事故の損害賠償や除染を継続するため、政府に新たな支援策の検討を要請することを盛り込んだ経営方針を発表したとのことです。東電の負担が、政府が当初見込んでいた5兆円を上回り、10兆円に達する可能性もあり、東電単独で巨額の負担増に対応するのは困難だと判断したためのようです。

通常この手の支援要請の報道では、具体的な支援額や支援方法についてある程度明記されると思うのですが、本件記事ではそのあたりは触れられていません。
そのため、実際に東電HPでこの新経営方針(「再生への経営方針」)を見てみたのですが、こちらにも具体的な記載は見当たりません。
この「再生への経営方針」を見ると、東電が現行制度のみで賠償・除染の費用を負担していくとしたら、@超長期事故処理専業法人やA電力公社となるリスクがあり、数年後の電力自由化が見通される中でこの道は避けるべきという東電の考え方が伝わってきます。
しかし、では具体的にどうあるべきか、ということについては触れられておらず、国による新たな支援の枠組みを早急に検討することを要請する、とのみしています。
他方で、記者会見では、債務圧縮のための法的整理については明確に否定しています。
そうすると、株主資本や負債には手をつけず現行の体制を維持しつつ、兆円単位の巨額の賠償・除染費用を負担しようとすれば、国による交付国債による支援か公的資金の資本注入ということしかなさそうですが、これらの方法は、上記の@超長期事故処理専業法人化やA電力公社化であるとして避けるべきとしています。
そうなると、巨額の賠償・除染費用については、東電から切り離して国に肩代わりしてもらうというような支援方法に行きつくような気がしますが、それでは、この「再生への経営方針」が強調している、事故の当事者として福島の事故の責任を全うする、ということと整合しなくなりそうです。
今の段階ではこのような堂々巡りのような見方になってしまいましたが、今後新たな情報も出てくると思いますので、引き続き注目したいと思います。
posted by kinyu-bengoshi at 23:28| 日記
リンク集