2012年11月02日

【金融円滑化法】恒久措置

「金融相、中小企業支援「円滑化法期限後も変わらぬ対応を」」(日本経済新聞WEB刊2012.11.1)

金融担当大臣が1日午前、金融庁内で開いた全国財務局長会議で、来年3月末の円滑化法終了に関し「金融機関が個々の借り手の状況をきめ細かく把握し、貸し付け条件の変更や資金供給に努めるべきだということは、期限到来後も何ら変わるものではない」と強調したとのことです。
そして同日、金融庁から「金融担当大臣談話−中小企業金融円滑化法の期限到来後の検査・監督の方針等について−」が発表されました(金融庁HP)。
ただ、その内容は特に新しいものを含んでおらず、すでに公表済みの「中小企業の経営支援のための政策パッケージ」(いわゆる「出口戦略」)を再確認するようなものです(報道でもあまり大きな扱いとなっていないのはこのためです)。
それでもその中で目を引くのが、(検査・監督の対応)という項目のなかの「なお書き」として記載されている、
「なお、金融検査マニュアル等で措置されている、中小企業向け融資に当たり貸付条件の変更等を行っても不良債権とならないための要件(注)は恒久措置であり、円滑化法の期限到来後も不良債権の定義は変わりません。
(注)「経営改善計画が1年以内に策定できる見込みがある場合」や「5年以内(最長10年以内)に経営再建が達成される経営改善計画がある場合」は、不良債権に該当しません。その上で、個々の借り手の経営改善に具体的にどのように密着して取り組んでいるのかについては、検査・監督において従来以上に光を当ててまいります。」
という部分です。
リスケを受けたとしてもただちに貸出条件緩和債権(いわゆる不良債権)に該当することにはしないという扱いは金融検査マニュアル等で規定されている恒久措置であり、円滑化法が終了した後もなくなるものではないのですが、そのことを改めて明示して強調したい趣旨のように受け止められます。
借り手側にとってはわかりにくいところなのですが、金融円滑化法施行にあわせて金融検査マニュアルの改訂がなされ上記の措置がとられましたが、両者は完全にリンクするものではなく、円滑化法終了後も改訂された金融検査マニュアルは恒久的に残るという関係を理解しておく必要があります。
金融庁の金融機関に対する影響力は絶大です。
金融機関への指導ならば個別にすれば済むところを、あえて大臣談話として公に発表するという意味は少なくなく、金融機関に対し中小企業の金融円滑化に向けた一層の努力を促す趣旨であると思われます。
せっかくのありがたい金融担当大臣のメッセージですから、中小企業としてはこうした有用な情報もきちんと把握・理解しておいて、万が一、円滑化法終了時に金融機関から「リスケを受けている御社は円滑化法が終了すると貸出条件緩和債権に該当するので、今後は再度のリスケや融資はできません」などと言われたときに、上記の金融担当大臣談話などを持ち出して、「上記の措置は金融検査マニュアル上の恒久措置だからそれは違うはずだ」などと反論できるようにしておくのも一つの手かと思います(もっともそれだけで金融機関の方針が変わるものでもないですが)。
弊事務所HPの中小企業金融円滑化法金融検査マニュアル・自己査定でもこのあたりを詳しく解説しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。


posted by kinyu-bengoshi at 20:59| 日記
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