2012年10月22日

【金融円滑化法】再生支援ファンド

「円滑化法終了控え支援ファンド続々」(日本経済新聞2012.10.22)

中小企業金融円滑化法の期限が来年3月で切れるのをにらみ、有力な事業再生ファンドが中小企業再生の受け皿になろうと本腰を入れ始めた、とのことです。
中小企業金融円滑化法終了に向けた政策(出口戦略)として、すでに金融庁などは地域金融機関に事業再生ファンドの設立を促すことを打ち出しており(内閣府・金融庁・中小企業庁「中小企業金融円滑化法の最終延長を踏まえた中小企業の経営支援のための政策パッケージ」2012.4.20)、これまでも多くの地域金融機関がリサパートナーズなどのファンド運営企業と共同で再生ファンドを設立することが発表されていました。
こうした再生ファンドは、債務者企業に対して出資したり、金融機関から債権を買い取ったりしていわば新スポンサーとなり、財務面の改善や経営面の支援等を行うことになります。
企業にとっては心強く、期待したいところですが、問題は、今回の記事にもあるとおり資金が足りないとされている点です。
厳密に言えば、今の日本は金余り状態ですので、資金自体が足りないというよりは、こうした投資に向かうためのリスクマネーが足りないという意味だと思います。
すでに設立された各地域の再生ファンドの資金規模を足して計算したわけではないですが、全国をすべて合算しても数千億円の規模にとどまり、兆円単位ともみられるニーズ(円滑化法に基づく中小企業向け貸付条件変更の実行金額は2012.3末時点で約80兆円(金融庁「中小企業金融円滑化法に基づく貸付条件の変更等の状況について」2012.7.19))には大きく及ばないとみられます。
さらに、各再生ファンドにおいても、設定した資金規模を必ず消化しなければならないわけではなく、対象企業の再生可能性を見極めて、再生により投資回収が見込まれる先のみに投資することになります。
また、再生ファンドへの支援の持ち込みは、基本的に金融機関がすることになるので、まずは金融機関においてその企業が再生可能であると評価してもらうことが必要となるでしょう。
以上の通り、要は、様々な支援スキームができたとしても、それを生かすことができるかどうかは自社が再生可能であるかどうかに帰着することになります。
再生可能性の判断は、事業の収益性が基本ですから、そのための取り組みを地道に行うことがまず必要です。
そのうえで様々なスキームを検討するという流れになると思います。
弊事務所HPの中小企業金融円滑化法事業再生Q&A 金融機関取引の基本 事業再生・倒産編なども適宜ご参照いただければと思います。
posted by kinyu-bengoshi at 15:27| 日記
リンク集