2012年10月18日

コミットメントライン

「パナソニック6000億円確保 4銀行融資枠 調達手段広げる」(日本経済新聞2012.10.16)

パナソニックが、三井住友銀行など4行との間で、総額6000億円の融資枠契約(いわゆるコミットメントライン)を設定したということです。
パナソニックのような強固な財務体質を誇る日本を代表する大企業であれば、わざわざコミットメントラインを設定しなくても、必要なときに必要なだけ銀行から資金調達できそうなものですが、昨年からの業績不振や世界経済の減速のなかで格下げリスクが生じているため、資金調達手段の多様化を図るとともに、信用補完を狙ったもののようです。
コミットメントラインとは、特定融資枠契約とも呼ばれ、法律上「一定の期間及び融資の極度額の限度内において、当事者の一方の意思表示により当事者間において当事者の一方を借主として金銭を目的とする消費貸借を成立させることができる権利を相手方が当事者の一方に付与し、当事者の一方がこれに対して手数料を支払うことを約する契約」と規定されております(特定融資枠契約に関する法律1条)。
いわゆる諾成的金銭消費貸借契約の一種で、要は、銀行と借り手企業の間で予め一定の期間及び融資枠(極度額)を設定し、その期間は借り手企業は必要に応じて借入を申し込めば融資枠の限度内でその都度金銭消費貸借契約を成立させ、随時借入をすることができる、但しその融資枠設定のための手数料を支払う、というものです。
企業としては、当面は融資枠を設定するだけなので、有利子負債を増加してバランスシートを悪化させることなく、必要が生じた場合にだけ融資枠の限度内で必要な借り入れをすることができる、という点でメリットがあるとされています。
パナソニックであれば、コミットメントラインに基づく貸付の実行について心配はないでしょう。
しかし、特に中堅中小企業におけるコミットメントライン設定については、いくつか注意すべき点があると思います。
弊事務所HPのQ&A 金融機関取引の基本 融資編Q3において、コミットメントライン設定に際しての注意点を記載しましたので、詳しくはそちらをご参照ください。
posted by kinyu-bengoshi at 00:52| 日記
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