2012年10月14日

会社分割の詐害行為取消(最高裁判決)

「会社分割の乱用認めず 「資産移転 取り消し可能」 最高裁初判断」(日本経済新聞2012.10.12)

事業再生スキームとして、会社分割により優良事業を切り離して同事業の再生を図り、残った不採算事業を清算するという第二会社方式という手法が活用されております。
しかし、会社法上、会社分割により分割会社(旧会社)に残された残存債権者に対する債権者異議(保護)手続は原則として不要とされているため、これら残存債権者の利益を害するいわゆる「詐害的会社分割」が横行し、問題となっていました。
今回の最高裁判決は、この問題について最高裁として初めて判断を示したもので、注目されます。
この裁判の事案は、会社分割のうちのいわゆる新設分割において、新設分割会社(旧会社)の残存債権者が、新設分割設立会社(新設会社)に対し、詐害行為取消権(民法424条)に基づき新設分割の取消し及び承継不動産の所有権移転登記の抹消登記を求めたものです。
最高裁判所は、「会社法上、新設分割をする株式会社(以下「新設分割株式会社」という。)の債権者を保護するための規定が設けられているが(同法810条)、一定の場合を除き新設分割株式会社に対して債務の履行を請求できる債権者は上記規定による保護の対象とはされておらず、新設分割により新たに設立する株式会社(以下「新設分割設立株式会社」という。)にその債権に係る債務が承継されず上記規定による保護の対象ともされていない債権者については、詐害行為取消権によってその保護を図る必要がある場合が存するところである。」としたうえで、「株式会社を設立する新設分割がされた場合において、新設分割設立株式会社にその債権に係る債務が承継されず、新設分割について異議を述べることもできない新設分割株式会社の債権者は、民法424条の規定により、詐害行為取消権を行使して新設分割を取り消すことができると解される。」と判示し、詐害行為取消権に基づき会社分割を取り消した原審の判断を是認しました(最高裁判所HP)。
そもそも会社分割はどういう手続で行われるのか、詐害的会社分割とは何か、なぜ横行していたのかなどについての簡単な解説や本件最高裁判決についてのコメントを、弊事務所HPのQ&A 金融機関取引の基本 事業再生・倒産編Q2に記載しておりますので、適宜ご参照いただければと思います。
posted by kinyu-bengoshi at 08:08| 日記
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