2013年11月29日

クールジャパン推進機構

「クールジャパン推進機構が発足 日本の文化を輸出」(日本経済新聞2013.11.25)

(記事引用)
 日本の生活産業の海外展開を支援するファンド「海外需要開拓支援機構(クールジャパン推進機構)」が25日、発足した。松屋で常務執行役員を務めるなど日本のファッション界を率いてきた太田伸之氏が社長に就任。太田氏は都内の発足式で「世界各地に情報発信のプラットフォームを整備し、(参加企業に)ビジネスとしてもうけてもらいたい」と語った。
 アニメ、ファッション、食、伝統工芸品――。機構の投資対象は多岐にわたる。現地の放送枠を買いとったり、商業施設と連携してモノやサービスを輸出したりする戦略をとる。機構のロゴは折り紙でジャパンの「J」を表現した。茂木敏充経済産業相は「折り紙のように織り込まれた日本の魅力を、まさに折り紙つきで諸外国に広める」と訴えた。
 式典には電通やANAホールディングス、LIXILなど機構に出資する民間企業15社も参加。15社からは合計で75億円の出資を受け、政府も500億円を出す。年度内にも最初の出資案件を決める予定だ。
(引用終わり)


出資総額575億円の大型官民ファンドが発足し、経済産業大臣も出席する記念式典が六本木ヒルズで行われました。うち500億円は政府出資なので、実質官製ファンドとも言えます。

しかし、いくら記事を読んでも、世界各地に情報発信のプラットフォームを整備、アニメ、ファッション、食、伝統工芸品に投資、現地の放送枠を買い取り、商業施設と連携してモノやサービスを輸出、日本のファッションブランドやレストランなどを集めた複合商業施設、日本の劇団や歌手が出演する劇場、ライブハウス、日本の番組を流す衛星放送チャンネルなどへの出資など、はっきり言ってわけがわからず、国内に投資するのか、海外に投資するのか、企業に出資するのか、不動産を開発するのか、何らかの権利を買うのか、機構自身が何かを輸出するのか、サービスの輸出とは何なのかなど、機構が行う投資や事業のイメージがつかめず、ファンド関係者自身も、何にどうやってお金を使うのかの考え方が整理、統一されていないような印象を与えているといえます。

民間出資企業はわずか15社で、その内訳を見ても、航空会社、百貨店、銀行、証券会社、メーカー、広告代理店、人材派遣会社とバラバラ感著しく、ここからも方向性が見えてこないところです。

また、大きな器を先に作って後から投資先を探すというのは、過去から見ても失敗しがちな典型パターンといえ、そうならないよう真価が問われるところです。

クールかどうかはあくまで買い手が判断することであって、売り手側が「これは、クールジャパン推進機構がお墨付きをしているクールなものです」と言って売ろうとするのは、あまりクールではないようにも映ります。
posted by kinyu-bengoshi at 15:35| 日記

2013年11月22日

個人向け低格付ローンファンド

「非投資適格企業への貸付債権、個人に 三井住友信託銀が販売」(日本経済新聞2013.11.12)

(記事引用)
 三井住友信託銀行は、非投資適格企業に対する銀行の貸付債権である「バンクローンファンド」の個人投資家向けの販売を始めた。従来は機関投資家への販売に限っていたが、世界的な超低金利で個人の需要が高まっていると判断した。
 債務不履行のリスクは高いが、担保つきが原則で回収率は平均70%ほどとされる。「今まで日本になかったミドルリスク・ミドルリターンの商品」(同行)。当初は銀行に運用を一任するラップ口座向けに限るが、将来は窓口でも扱う計画だ。機関投資家向けの販売額は、ここ1年で300億円に達している。
(引用終わり)


非投資適格企業が発行する社債は、いわゆるジャンク債と呼ばれ、利回りは高いが元本毀損リスクも高く、ハイリスクハイリターンの商品とされています。
ジャンク債でも、これを複数束ねて、そこから得られるキャッシュフローを優先的に配当する形で比較的リスクの低い商品とすることができ、これをCBO(Collateralized Bond Obligation):社債担保証券などと言います。
社債ではなく、ローンが元となっているものを、CLO(Collateralized Loan Obligation):ローン担保証券などと言います。
元となるのが、低所得者向けの住宅ローンであるものは、米国でサブプライムローンと言われていました。

CBOやCLOは、かつて東京都が個人向けに発行するなど、発行体にとっては新たな資金調達手段、投資家にとっては低金利下において比較的高いリターンが得られる魅力的な投資商品という位置づけで、一時はやりました。

しかし、2007〜2008年以降の米国サブプライムローン問題やリーマンショックなどで、これらの商品が抱える問題が明らかになりました。

記事の大手邦銀のプレスリリースがなく商品の詳細は不明ですが、記事を見る限りこれらと同じような仕組みの商品を、ミドルリスクミドルリターン商品とうたって、しかも個人向けに販売するとのことで、今後注目されます。
posted by kinyu-bengoshi at 13:39| 日記

2013年11月21日

経営力強化保証制度

「新型の中小向け保証、1年で1000件突破」(日本経済新聞2013.11.14)

(記事一部引用)
 昨年10月から新たに始まった中小企業向け信用保証「経営力強化保証」の利用件数が、開始後1年で1000件を突破した。資金面だけでなく事業面からも中小を支える金融機関が増えてきた。
 今年9月末までの保証実績は計1113件、保証額は320億円に達した。
(引用終わり)


経営力強化保証制度とは、国(主務大臣)の認定を受けた経営革新等支援機関(認定支援機関)の経営支援を受ける中小企業・小規模事業者を対象とする各種金融支援(融資・保証)制度の1つで、各地の信用保証協会が実施しています。

中小企業が認定支援機関の力を借りて経営改善に取り組む場合に、保証料を減免(概ね▲0.2%)し、金融面だけでなく、経営改善を強力にサポートする、というものです。

対象者は、金融機関及び認定支援機関の支援を受けつつ、自ら事業計画の策定並びに計画の実行及び進捗の報告を行う中小企業者・小規模事業者とされています。

具体的な支援内容は、保証限度額は2億8000万円、資金使途は事業資金、保証期間は、分割弁済の場合、運転資金5年以内、設備資金7年以内(但し、既往保証付借入金を借り換える場合は10年以内)、据置期間は1年以内、担保は必要に応じて、保証人は原則として法人代表者以外は不要、保証料率は一般保証における保証料率から概ね0.2%引下げ、などとされています。

このほかにも、認定支援機関による経営改善計画策定支援事業、経営支援型セーフティネット貸付制度、中小企業経営力強化資金融資制度などの各種支援制度があります。経営革新等支援機関やこれら各種制度については、弊事務所HPの経営革新等支援機関も適宜ご参照ください。
posted by kinyu-bengoshi at 14:41| 日記
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